高畑です、
「言ったもん勝ち」
というと聞こえは良くないけど、
つまりはそういうことだ。
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昔アメリカに、
「シュリッツ・ビール」という醸造会社があった。
その当時、業界シェアは5番目ぐらい。
売上もかなり苦戦しており、
倒産という可能性もある厳しい状況だった。
伝説的コピーライターである
クロード・ホプキンスが雇われたのは
そんなときである。
彼は、現状を把握するため、
そして突破口を探すために工場を訪れた。
そこでものすごい光景を目の当たりにする。
当時の全ビールメーカーは、
どこもかしこも「純粋」を売りにしていた。
「純粋」という文字を大きく表示し、
消費者たちにアピールした。
クロード・ホプキンスが見たのは、
まさにその純粋を作り出す「ろ過装置」だ。
ビールがパイプ上に滴っている板ガラスの部屋。
木材パルプで満たされた素晴らしいフィルター。
汚染を防ぐために一日に二回、
どのようにしてすべてのポンプとパイプを消毒するのか、
どのよう にして機械ですべてのボトルを4回清潔にするのか、
工場の従業員は見せてくれた。
この工場はミシガ ン湖に位置するにもかかわらず、
純水を得るための深さ4000フィートに達するアルトワ式井戸。
ビールが消費者に出荷される前に6ヶ月間熟成される大樽。
最高度の風味を引き出すために1200回の実験を経て開発された酵母細胞。
などなど・・・。
彼は驚き、そして尋ねた。
「なぜ、こうしたことを人々に伝えないのですか?」
するとシュリッツの社員は、
「何のためにですか?
我々がやっていることは、他社も同じようなことをやっている。
このプロセスがないと誰も美味しいビールは作れません」
クロード・ホプキンスは言った。
「いやいやいや。
消費者は誰一人こんなことは知らない」
「そして他のビール会社は、
どこもこのことを発信していない」
すぐにクロード・ホプキンスは
これらのことを詳細に記したチラシを作成した。
すると数ヶ月後、、、
シュリッツは、
1~2位を争うビール会社になった。
売れに売れたのだ。
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ここでのポイントは2つ。
ひとつは、
●業界では当たり前でも、一般には知られていないことがある
そしてもうひとつ、
●理由を発信しただけで、決して他社より純度が高かったわけではない
ここから学ぶべきことは、
『お客さんが買うのは、
最高の商品ではなく、一番わかりやすい商品だ』
ということ。
あなたの商品、サービスにも、
伝えるべきストーリーがあるのではないだろうか。
高畑昌史
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