高畑です、
100年ぐらい前に作られた伝説の広告があります。
ジョン・ケープルズさんという人が書いたコピーで、ものすごく商品が売れました。
その後この広告を真似る人が続出し
(世界一パクられた広告です)、
今でもよく真似されています。
『私がピアノの前に座ると彼らは笑った。でもピアノを弾き始めると・・・!』
そう、通称「ピアノコピー」と呼ばれているものです。
これがキャッチコピー、
その後ストーリーが始まります。
簡単に説明すると、
出来の悪い男が、ピアノの発表会で初めて演奏する。
彼がピアノに向かって歩み寄ると、
心無い連中が彼をあざ笑う。
「アイツがピアノなんて弾けるわけがない」
「恰好だけはいっちょ前じゃないか」
ひそひそ話、せせら笑い・・・
だけど、彼がいざ弾き始めると状況は一変。
そのあまりの上手さに聴衆は一瞬で惹きこまれた。
演奏が終わると拍手喝采!
「すごいじゃないか!」
「いつの間にできるようになった!?」
「なぜそんなに上達した!?」
打って変わって、彼はヒーローになった。
というような話。
負け犬が、ヒーローになる
バカにされていたやつが、見返す
という鉄板パターンです。
人は、この手の話が大好きです。
スカッとするからだと思います。
キャッチコピー(タイトル)を見ただけでなんとなくストーリーは想像できるけど、続きを読みたくなるのです。
オチはわかっていても、スカッとする感じを味わいたいのです。
この広告の商品は、「ピアノの通信講座」です。
このストーリーの後、短期間で上達した秘密はね・・・と続きます。
このパターンが、他でも本当によく使われているんです。
例えば、、、
『ウェイターがフランス語で私に話しかけたとき、彼らはニヤニヤと笑いました。―でも、私の返事に驚いて、薄笑いは止まりました』
とか。
ところで、『えんとつ町のプペル』。
絵本でベストセラーになり、
映画も大ヒットしたあの名作です。
主人公ルビッチの名ゼリフ、
「誰か見たのかよ?誰も見てないだろ?だったらまだ分からないじゃないか!」
これは、作家(兼お笑い芸人)の
西野亮廣さんの実体験が基になっているお話しで、
夢を語っては笑われていた男が
夢をあきらめず一生懸命努力して
その夢をかなえる
という話。
これねー、
本当に刺さるんです。心に。
この物語も、別に結末が意外でもなんでもないんです。
たぶんこうなる、とわかっているけど・・・それを見たい!
って感じ。
「ピアノコピー」と同じです。
プペルもロングセラーになると思います。
高畑昌史
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